経路が表示されない・おかしいときの確認手順
CNC Path Analyzerで経路が描かれない、または予想と違うときに、設備の種類、平面、開始位置、サイクルのアドレス、呼び出しプログラムの順で原因を絞り込む方法を説明します。
まず警告ウィンドウの2行を見てください
経路計算が止まると、ツールは原因行と、サイクル内で問題が起きた場合はサイクル呼び出し行を一緒に表示します。たとえばG71の形状ブロックの1行が問題なら、原因行は形状ブロック内のその行で、呼び出し行はG71のブロックです。2つを区別して見れば、直すべきところがサイクル指令なのか形状なのかがすぐに分かります。
1. 設備の種類と平面
旋盤のプログラムをマシニングセンタとして、またはその逆に選ぶと、同じGコードでも別の意味になります。代表的にはG83・G84は旋盤とフライスでアドレスの解釈が異なり、旋盤のXは直径、フライスのXはそのままの座標です。円弧がおかしい場合はG17/G18/G19の平面選択も確認してください。円弧の向きの判別はG02・G03の記事にまとめています。
2. 開始位置と座標の方式
サイクルの前にX・Z(またはX・Y・Z)の開始位置が確定している必要があります。G90はアブソリュート、G91はインクリメンタルで、旋盤ではU・Wでインクリメンタルを指定することもあります。G28・G30・G53のような機械原点基準の移動や極座標の終了の後は、ツールが安全のために現在位置を「不明」として扱うことがあります。その後アブソリュート座標で位置を一度指令すれば、計算が再開されます。
3. サイクルのアドレスと形状
サイクルごとのアドレスの意味とよくあるミスは、学習センターのG71、G72、G76、G83、G84の記事に例と一緒にまとめています。
- G71/G72:始点が形状の外側にあるか、Pブロックが X(G71)またはZ(G72)だけを指令しているか、形状が一方向にだけ変化しているかを確認します。
- G76:1行目と2行目のアドレスが混ざっていないか、P・Qが0.001mm単位の整数かを確認します。
- 旋盤G83/G84:Rがインクリメンタルかアブソリュートかは、制御装置のシリーズと互換設定によって異なります。ツールが参考解釈を提案したら、候補のR点と終点が正しいことを確認してから選んでください。
- K0:対応している文脈では、サイクルの条件だけを保存し、次の位置決めブロックで実行します。
4. 呼び出しプログラム
M98 P_のP番号はファイル名やスロット番号ではなく、呼び出されるプログラムの中のO番号に結び付きます。同じO番号が2つある、呼び出されたプログラムの最後にM99がない、プログラム同士が互いに呼び出し続ける、といった場合に警告が表示されます。
警告はないのに形がおかしいとき
- 単位:
G20(インチ)のプログラムをmmと思って見ると、大きさが25.4倍違います。 - 表示座標系:旋盤X-Z、マシニングセンタX-Y、X-Y-Zのうち、見たい視点が選ばれているか確認します。
- 工具ごとの表示:工具レイヤで一部の工具経路をオフにしている可能性があります。
- プログラムの終わり:
M30やM02の後ろの内容は描かれません。サブプログラムを同じファイルの後ろに置いた場合は、呼び出し(M98)によってのみ実行されます。
よく見る警告と最初に確認する場所
| 警告の内容 | 最初に見るところ |
|---|---|
| 小数点の確認 | 座標の数値に小数点がない行。設備の小数点入力方式(電卓型かどうか) |
| サイクルの始点が形状の内側 | G71・G72直前の位置決めブロックと、形状の最初のブロックのX・Z |
| 形状が一方向に変化していない | P〜Qの間でX(G71)またはZ(G72)が戻る行 |
| 円弧定義のエラー | 直前のブロックの終点、Rの符号、I・J・Kの値と終点半径 |
| 位置未確定 | G28・G53の後の最初の移動がインクリメンタル、または一部の軸だけを指令している行 |
| 呼び出し先がない | M98のP番号と同じO番号のプログラムも一緒に読み込んだか |
5. 問題を再現する最小限のプログラムで確認
お問い合わせの際は、生産用NCの全体や会社・顧客の情報を送らないでください。問題を再現する10〜20行の合成座標、選んだ設備の種類・コントローラ・座標系、期待した動作、画面に表示された原因行があれば十分です。行を1つずつ消しながら問題が消える箇所を探すと、たいていその過程で原因も見えてきます。送り方はお問い合わせとエラー報告にあります。